THE INNOVATION OF HOBIE    
   HOBIEのすべて,サーフィンのすべてがそこにあった! 
 

それは2012年5月のこと。  
Terry Martinの訃報でCAに駆けつけたときのことです。
Dana Pointのお隣 San Clementeにある。
SURFING HERITAGE FOUNDATION (日本語で言えば、サーフィン博物館といったところです) 
で「THE INNOVATION OF HOBIE」というイベントをやっているから、見に行かないと損するぞ!
とHOBIEのみんなに言われ、行ってきました。
するとそこには、HOBIEの全て、いや、サーフィンの歴史の全てがありました。
   入口から、HOBIEの催事の看板が

「The Innovation Of HOBIE」

「HOBIEの技術革新」  です。
 そして中に入っていくと
いきなりやばいです。
HOBIEのダイアモンドのサイン
そして、横には 5STRINGER
HUGE NOSE BLOCKの
バルサのボードが。
 
   そして更に進んでいくと、
何やら貴重なヴィンテージボードが見えてきました。
これらは、ただの古いボードではなく
歴史的意味が非常に大きい、歴史的
遺産でした。







ここからみなさんにその全てをご案内します


 まず最初に目に飛び込んできたのがこれです
なんじゃこりゃ。と思い
解説のPOPに目をやると



なんと、HOBIEが初めて削ったボードだそうです。
なんと、のっけから、ものすごいもの見てしまいました。

1950年にHOBIE ALTERが DANA MONAHANという人に削った。
初めてのサーフボードとのこと

誰かに、グラスをはがされ、カットダウンされ、
なんとリシェイプされているのですが
紛れもなく、最初に作ったボードだそうです。
どんな形であれ、そんなものが、存在して、目の前にある
ということが、信じられないことです。
ミラクルです。

DANAさんがサーフィンミュージアムに寄付してきたそうです。
その方ももうだいぶお年だと思います。

 
   FINもこんな感じで、ブロークンです。

それにしても、このボードこんなにボロボロでも
歴史的にものすごい価値があるんです。
それだけHOBIEってすごいんです。
1950年だから、このボードもこの時62歳ですね。

のっけからこんなボード魅せられて、かなり
エキサイトしました。

 そして順路を進むように、次へいくと、
次に出てきたのは、これ、
MALIBU CHIPです。



1950年だ中頃に、作られたものです

Tyler Warrenが削るMalibu Chipも
ここからインスパイアーされたんですね。
 
 そしてこのMALIBU CHIPのテイル部に
施されているデカールはこれです。
これはHOBIEが 初めて作ったロゴだそうです。
ラバーで作ったスタンプだったんです。
HOBIEは、このスタンプで、100本あまりのボードを制作したそうです。
それは、まだシリアルナンバーをナンバリングする前のことだそうです。

 
   これが当時の模様です。横に展示してあったパネルです。

バルサ材を組み上げて、のこぎりで切って、
カンナでシェイプする。
機材も今のようなものはなかったと思うので
大変な作業だったと思います。


ラバーのスタンプも見えますね。

 次に展示していたのがこちら
MAKAHA MODELです。



このMAKAHA MODELは 1953年〜54年に作られたもので、
WOODY BROWNにインスパイアーされたものだそうです。
ノーテイルロッカーで、ハードレイル、ラウンドボトムという
HAWAIIの波用にけづられたものたそうです。

この頃からハワイを攻めていたんですね。すごいです。
しかもGUNですね。

 
 そして、となりに展示していたパネルがこれです。

1953年、HOBIEが DANA POINTに
SURFSHOPを作った時の様子の写真です。

これは南カリフォルニアで初めてのサーフショップとなり、
Phil EdwardsやRaynolds Yater, Gordon Clark などが
働いていたのです。
ショップとファクトリーが併設していたそうです。
この頃はまだ、フォームがなく、バルサ材を削って
シェイプしていました。
 
  そして、これが最初のクラークフォームです。

HOBIEで働いていた、Gordon Clark とHOBIEは
1958年 FOAM素材の開発に成功します。

そして、HOBIEは、これを世界に広めるために、
Gordonに フォーム会社として、独立させます。

あえてHOBIEの一社独占にしないで、
グローバルスタンダードを作り上げたのです。

 これが当時のクラークフォームの工場だそうです。

これが2005年まで、世界で最も愛されるブランクスだったことは
記憶に新しいですね
写真の人はゴードン クラークです
 
   これが、最初のフォームボードだそうです。
形はPIG ですね。

最初のフォームは大きな気泡が多く
それを隠すために、あえてピグメントでカラーをいれて
気泡を隠していたそうです。

 そして、これがENDLESS SUMMERの映画のプロモーション
の時の写真ですのパネル展示です。

HOBIE ALTER、 BRUCE BROWN、 Phil Edwards、
Mike Hynson、Corkey Carrol、Joy Cabel です。
すごいメンバーです。
 
   これがマルチボード、と言って、3分割できる
ロングボードです。
通常のは2分割ですが、3分割できるのは、
珍しいそうです。

エンドレスサマーの撮影で、飛行機に載せるために
開発されたそうですが、

ちょうどこの年、ボーイングが、大型ジェットを発表し、
必要性がなくなったそうです。

もしかしたら、エンドレスサマーの映画はこのボード
だったかもしれなかったのです。
 これは、HOBIE SUPER SURFER という スケートボードです。
それまでは、ウィールがスチール製だったのですが
横滑りして仕方なかったので
HOBIEはクレイ製でウィールを開発し、世界で初めて
プロダクション スケートボードを発表したのです。
1963年のことです。

写真の女性は、当時の女性ライダーだそうです。
 
  そして、1963年といえば、もう一つ、大きな出来事が

そうです。この写真のボード。
Phil Edwards モデル が発表された年です。
これ以来、HOBIEといえば、これというほどのモデルです。

60年代に最もスタイリッシュと言われ、世界で初めて、
メーカーにサポートを受け、名実ともにプロフェッショナル
サーファーとして、活躍した、Phil Edwards
彼のシグネチャーモデルとして、発表されたこのモデル
誰もがかれのようなサーフィンがしたいと思う中で
発表されたボードは飛ぶように売れたそうです。
そして、これが、世界で初めてのサーファーの名前を冠につけた
シグネチャーモデルだったのです。

シェイプは、Phil Edwards と Terry Martin でした。
しかし、すべて、Philのサインで世に出たことは有名ですね。

余談ですが、ボードの左側に見えるのは、当時のチームジャケット
どこかで見覚えが・・・

 そして、このようにデカールがアルミプレートで出来ていて、
ナンバリングがされていました。
今この状態で残っているのは、貴重です。
 
   そして、これは、なんと、1965年の 
HOBIE DICK BREWER GUN ではないですか。
このボードのレプリカは、Kaimana Tradingの
SHOPの天井に飾ってありますよね。
あれです。



これは、DICK BREWERが HOBIEで、1965年1年間だけ
シェイプしていた時に、ハワイのBuzzy Trent 用に、
BIG WAVE GUN として、シェイプしたものです。

 これが、当時の広告です。
左が、DICK BREWER
右が、 BUZZY TRENT です。

デカールは

HOBIE
DICK BREWER
HAWAII

となっています。
 
   もう一つ当時の広告です。
デザインもクラッシックでかっこいいですね。
上の右から2番目がフィルエドワーズモデルですね。
 また、FIN BOXを開発したのもHOBIEでした。
すごいですね。
1965年頃のようです。
それまでは、グラスオンFINだけだったので、
このように、FINを変えられるというのは
画期的なことだったのです。
 
   これもまた有名な
1968年、 Corky Carroll モデルです。
この頃から、時代は、アンダー9Ftになっていき、
どんどん、短くなっていく、いわゆる、ショートボード
レボリューションが始まっていました。

そして、こーキーキャロルモデルは、年々、
短くなって行ったのです。
 
 右の写真の左から3本がCORKY CARROLL モデルですが
左から3本目が、1967年、左から2本目が1968年
一番左の切れてしまっているボードが、1969年。
ご覧のように、年々短くなっていっています。



 
   これは70’sの Rabit Bartholomew モデル

彼もまたHOBIEのライダーだったのです。
現在、ASPの会長をしているあの方です。

シングルフィンモデルとしては、成熟したモデルです

これは、のちのHOBIEの、 RBモデルや
Deadly Flying Globe 、
そして、Donavon Single モデルに
継承している、デザインです。
 これは Terry Martinの削った、
クワッド フィッシュです

80年代のものだそうです。

 
そして、ボード、ボード、ボード すごいです。お宝の嵐  
   
   
  上の写真の一番右は、Gary Propperモデル
そして、右から2番目が Joyce Hoffman モデルです。



そのJoyce Hoffman モデルには、左の写真のように
Joyce本人と、Terry Martinのサインが
 右の3本は、タンデムボードです。
13FT〜12FTです。

デカールはこれ


HOBIE
HONOLULU
HAWAII

でした。
 
   そして、別のエリアを見ると、なんだか見覚えのある、
作りのエリアが・・・・
どこかで見たような・・・・

 そうです、先ほど出てきた、
HOBIEの最初の SHOPです。
このSHOPの作りをモチーフに
ミュージアム内にSHOPに見立てたエリアが
作られていました。
 
   横から見ても、実物のようにできています
すごいです。

この中に入っていくと
この中は、現行モデルのコーナーでした。

上から、

RETRO CLASSIC

HOBIE CLASSIC

HOBIE ALTER V

ENDLESS SUMMER 
 
   その HOBIE ALTER Vの上には
Terry Martin ProjectのT-shirts が販売されていました。

現行モデルということで、

One Fin Pin

SPITFIRE

RETRO CLASSIC

PNR

SLUG

そして、Bar Of Soap まで 
 
  Colin Noserider

Colin Classic

そして、BIG SOAP


そして、なんと SUPや
パドルボードまで、
展示していました。
 
 

以上。1950年から、2012年までの歴史を紐解く、
ものすごいイベントでした。
見終わった時、ふと、深呼吸するほど、
酸欠寸前になるほど、真剣になっていました。
こんなイベント、あるんですね。
本当に凄かったです。

HOBIE って、本当に凄いです。

 
   HOBIE ALTER 

この人は天才としか言えません。
多くの人を巻き込んで、
ビーチカルチャーを作り上げてきました。
彼なくして、サーフィン、サーフカルチャーは語れない
くらい、歴史上重要な人物です。

そして、多くの人に愛され続け、
フォロワーやファミリーを作り上げてきました。

Terry Martinもそのひとり、
そして、Tyler Warrenまで、その一人なのです。
それだけではなく、私もそのひとり
あなたもそのひとりです。

1933年生まれ
2012年現在 79歳 
まだまだ元気に、みんながサーフィンしているところを
見ています。

私たちは、彼の意思を継承して、
海に感謝をしながら、自然を享受させてもらっている。
なんとも幸せなことだと思いませんか?




最後になりますが

私自身この展示会をやっていることは、知っていまいましたが、
忙しい時期なので行けないはずでした。

しかし、こうして、この展示会を生で体現できたのは、
皮肉にも、Terry Martinが 他界して、 
急遽、カリフォルニアに駆けつけたからです。

Terry が
Masa ! Why don't you come and see?"
マサ! 見に来いよ!!”

と呼んでくれたような気がします。
Terryのおかげというと語弊がありますが
この素晴らしい展示会を
生で体験することが出来たのは、
Terry Martin が呼んでくれたからだと思います。

HOBIEの日本のディストリビューターとして、
見ておかなければいけないものでしたし
皆さんに伝えなきゃいけないものでした。

サーフィンの歴史を、しっかりと叩き込んできました。
本当によかったです。


Thank you HOBIE ALTER!
Thank you TERRY MARTIN!